ストレンジモーターサイクル店主AD/tacのバイクにまみれた生活の日記です。 街乗りあんちゃん→峠小僧→エクストリームライダー→全日本モタード参戦→全日本エンデューロ参戦→全日本ハードエンデューロ(G-net)参戦しています。 2017年はBETA Xtrainer250で全日本エンデューロ#14 G-netハードエンデューロ#2で走っております。 毎週日曜はお店を休んでツーリングや初心者講習付きの走行会を行っています。

2011/11/30

リクルスオートクラッチのメリット・デメリット  パーツ

久々の更新ですが、近況報告でなくてすみません。

ここ一年近く使ってきたREKLUSE CORE EXP1.0の詳細インプレッションです。
ファーストインプレッションhttp://fun.ap.teacup.com/applet/strange69/201012/archiveとあまり変わって無い様な気もしますが、一年近く乗ると耐久性もチェック出来ました。
ちなみにこの商品はサポートでは無く自費で買ってますので、ある程度客観的な評価が出来ると思います。

リクルス自体の働きはスクーターやカブの遠心クラッチそのものです。実際の乗り味もカブの様なものです。ただし、カブの様にシフトペダルを踏んでいるときにクラッチが切れる機構は無く、クラッチはマニュアルで操作します。設定した回転数以上だったらエンブレも普通に掛かります。

テストバイクのスペックです
2006 YZ250 2st
一次・二次圧縮アップ・ポートリブ立て FMFGNARYチャンバー ヘヴィウェイトフライホイール HEBO油圧クラッチ HINSONクラッチバスケット ファイナル13-48



エンジン、キャブ、チャンバー等は全て低回転のピックアップ重視、パワーバンドを広く取る方向ににセットアップしています。高回転はどうせ使い切れないので廻らなくても気にしません。

次にリクルスのセッティングです。
僕のはCOREEXPですので現行のCOREEXP2.0とは微妙に違いますが、機構的に大差はありません。
@アジャスターのイニシャルは1.1回転〜1.3回転(コースによって変えます)
AEXPスプリングはライト
Bウェッジウェイトはノーマル

@は回転を上げて行った時にクラッチが繋がり始めるタイミングを調整していると思います
AとBは半クラッチの幅(クラッチが繋がり始めてから完全に繋がるまで)を調整していると思います。各パーツの作用は完全に独立している訳では無く、キャブレターのセッティングパーツの様にオーバーラップして作用しています。

僕のセッティングは「ちょっと回転を上げるとすぐに繋がり始め、半クラ領域も少ない」です。
標準のセッティングだと、あくまでイメージですが、2500回転位から半クラになり5000回転で完全に繋がる様な感じです。それを2000回転繋がり始め4000回転で完全に繋がる様にしている感じですね。要はリクルスを「半クラの為のデバイス」としてでは無く「エンスト防止のデバイス」として使用する為のセッティングです。

その他、お客さんのバイクですが'09 250SX-Fと'10 YZ450Fにもセットアップしました。'05 CRF250Rに試乗した事もあります。


インプレは前回とあまり変わりませんが、いくつか変更があります。
(前回より)
@フロントアップが楽
Aエンストしない
Bガレ場無敵
C誰でも乗れる

追加で
Dマニュアルクラッチ使わなくても速い
Eバンク、フラット問わずコーナーが速い
F速いコーナリングスピードに慣れるのでノーマルに乗っても速くなる
Gスタートが速い
Hタイヤが減らない
I半クラが神
Jリクルス本社、日本代理店のスターズトレーディングとも対応がしっかりしている
Kあり得ない体制で押したり引いたり出来る
L左手が自由になるメリット
M転倒してもすぐにはエンストしない。そのまま起こしてOK

Dは当たり前ですね。だいぶ楽させて貰いました。自分位のレベルだとリクルス任せで走ってもあまりタイムは落ちませんでした。SUGOのMXコースだと3〜4速でクラッチ操作無しで全て飛べます。クラッチワイヤーが切れようが油圧ホースが漏れてもあまり気になりません。
Eマニュアルクラッチの「クラッチ切って→リアブレーキ踏んでブレーキターン→半クラとスロットルオンでアクセルターン」という一連の動きが「リアブレーキ踏んでブレーキターン→スロットル開けてアクセルターン」に簡略化されるので、コーナリングに集中出来ます。
F↑のEのコーナリング姿勢に慣れるとマニュアルクラッチでも同じ動きが出来る様になります。身体が覚えちゃうんでしょうね。
Gとりあえずどこでも3速半クラスタートでかなり前に出れます。タイヤが滑ってるのでは無く絶妙に半クラしてくれるので、リアが振られる事も少ないです。
H上記と一緒で立ち上がりでもタイヤを無駄に滑らす事が少ないので、タイヤが減りにくいです。後ろを走っている人の報告ですが、飛び石がかなり少ないらしいです。
I本当に凄いです。滑りやすい路面で凄く実感出来ます。逆キャンバーをソロソロっと通過する時なんか最高です。
Jこの手の商品にしては珍しく保障が付いていますし、アップデートやリコール対応もしてくれます。部品もセッティングパーツや消耗品は勿論、ネジやワッシャーまで注文出来るのはありがたいです。
K難所で引っかかって「あとちょっと」と言うときに、「バイクの右側に立って右手でシート後端のベルトを引き上げながら左手でスロットル開ける」とか「バイクの前に廻って右手でフロントのスタックベルトを引き上げながら左手でスロットル開ける」とか、相当無茶な姿勢で押し引き出来ます。
L左手でガス缶などの荷物を運んだり、マーシャル時にパイロンを治したり出来る。倒木の下をくぐる時に左手で枝を払いながら進める。
Mタイムにも体力にも関わって来るので結構なメリットです。インジェクション車で転倒センサーカットしたら無敵?


デメリットです
(前回より)
@極低速の繋がるか繋がらないかのコントロールが難しい(要リアブレーキ
Aクラッチ減りそう
Bデカめのステアはオートだと厳しいかも(要マニュアル操作)
Cステアを超えた後にアクセルを完全に戻すとリアが残ってしまうかも
D操る楽しみが薄れた
追加で
E登り損ねや激下りの「エンスト留め」が出来ないので、ハンドブレーキが無いと叩き落ちる
F車種やセッティングによってはエンストする
G車種やセッティングによってはブレーキング中にリアタイヤがすっぽ抜ける
Hそもそも向かないバイクがある(と思う)
I繋がるかどうかの極低回転時にクラッチ操作をしても効かないので、フロントアップのタイミングがずれる
J設定した回転数以下ではマニュアルクラッチ操作してもダイレクト感が薄い
K機構や働きを全く理解しないで使うとあっという間にクラッチ丸焦げにする
L高回転時にクラッチの切れが悪くなる
Mエンスト寸前の「カツカツ」言ってる部分のトラクションが使えない

@とCは慣れると問題ありませんでした。Bはその通りでした。AとDは後述
Eは予想出来た事ですがハンドブレーキ無いと激下りは怖いです。登り損ねはスロットルちょい開けでクラッチを繋げることによってリアブレーキ替わりに出来ます。
ハンドブレーキを付ければどちらも解決というか進化します。激下りで両足出して前後ブレーキを掛けながら下ったり、登りの再スタートで両足着いたまま前後ブレーキを掛けてそのままスタートする事が可能になります。
Fクラッチの切れの悪いバイクだとリアロックでのエンストしやすいです。YZは微妙に切れが悪かったのでHINSONを入れて解決しました。また、圧縮が高くフラマスが軽い4stMXerもスタートでエンストしやすいです。どちらも繋がるポイントを高めに設定すればある程度は防げます。
Gクラッチの切れの良い車両だと、ブレーキング時にリアロックさせた際リアブレーキを解除してもエンブレが回復しません。ロックしない程度にブレーキングするか、ちょっとアクセルを開けてクラッチを繋ぐか、いずれにせよ慣れは必要です。
↑のFとも関連するのですがYZ250は微妙に切れが悪く、ブレーキング中にリアロックさせてクラッチが切れても、ブレーキを解除すれば回復したリアタイヤの回転(カウンターシャフトの回転)にエンジン回転が引っ張られて上昇し、結果クラッチが繋がり始める為この症状は出ませんでした。
H低速トルクが少なく半クラを多用して乗る車両、例えば85ccMXer等には根本的に向かないと思います。個人的には125Mxerも微妙。繋がる回転を低く設定するとトルクが無くて発進出来ませんし、気持ちよくスタートできる高回転で繋がる様に設定すると、常に半クラで走ってる様なものなのでクラッチがあっという間に駄目になります。KTMの50SXがそんな感じの車両なのですが、あれはあの車重+子供の体重+相当余裕のあるクラッチだから行けるのかなと思います。
I殆どシーンでは気になりませんが、二度吹かしの一回目やフロントホッピングなど「体重移動7割+スロットル3割」で上げる場合にずれを感じます。ある程度回転を上げればマニュアルクラッチ操作が活きてくるんですが、路面状況によっては回転高いとグリップしないので難しいです。
Jこれも上記と一緒で「スタンディングからのリアホップ」など極低回転でかつ「バチン」と繋ぎたい時にどうしてもヌルッと繋がってしまいます。トライアルライダーなど積極的にクラッチを使う人は慣れるまで大変だと思います。
K完全にリクルス任せで3速や4速で低回転でゴイゴイ登ってたりするとあっという間にクラッチが焦げます。完全に繋がるまでは回転数と圧着力が比例すると言う事を理解して使って下さい。
LMXのシフトアップの様にアクセルを全開にしたままマニュアルクラッチ操作でクラッチを切ってシフトアップしようとしても上手くギアが上がらない事があります。どう設定しても駄目なのでYZ250+COREEXPだと仕様と言う事でしょう。タイムに直結する結構大きな問題なのでバージョンアップで問題解決してくれる事を期待します。
Mこれは仕様というか機構上仕方ないですね。とりあえず今年一年は無くてもきになりませんでした。

ちなみに普通にシフトアップする場合は、クラッチを切らずにスロットルを一瞬戻してシフトアップします。もちろんクラッチを切ってもOKです。
シフトダウンの際は、ツーリングペースだと通常通りクラッチを切ってシフトダウンします。レーシングペースのフルブレーキング時は、リアタイヤがロックかロック寸前の状態=リクルスが効いて殆どクラッチが切れている状態なので、マニュアルクラッチ操作無しでスコスコ落とせます。切れが悪い車両(リアロックですっぽ抜けない車両)だとスリッパークラッチに近い作用をしている様に感じました。



耐久性は使い方によってかなり左右されます。
本体は、1年弱かなりハードに使いましたが問題ありませんでした。バスケットは純正でプレッシャープレートやボスを専用品に替えるのですが、ボスに段付きは出来ませんでした。

クラッチプレートは僕のセッティングで通常(JECや地方のエンデューロ、SUGOの山遊び等)使って10か月持ちました。半クラを長めに取ったり、繋がるポイントを高回転にセッティングしたりするともう少し短いかと思います。ちなみに9月にYSP横浜南走行会とストレンジ貸切走行会で二日続けて「上級クラス」のインストラクターをやってクラッチにとどめを刺しました。普通のレースメインの使い方だったら1年持つでしょうね。

セッティングよりはクラッチに負担を掛けるような使い方を多用すると、あっという間に消耗する印象です。厳しい登りの再スタートやグリップしない場所で、高いギアのままリクルス任せで走るのは避けた方が良いです。日高の林道ルートなどの移動時に5速で中回転で走るシーンがあり、リクルスが効きっぱなしになるのでかなり不安でしたが、開けてチェックしても特に減りは見られませんでした。登りなど高負荷の場所で効かせなければそんなに気にする事も無いかもしれません。

それと、どう言う訳かリアブレーキが良く減ります。無意識にリアブレーキを踏みながらスロットルを開ける乗り方になってるのかも知れません。

クラッチが減ってくると切れが悪くなってくるので、切れが悪くなってきたら一度チェックして見た方が良いと思います。プレート全入れ替えで切れが完全に復活しました。
クラッチプレートのみリクルス製を使うのですが、価格は1台分で9800円です。ヤマハ純正だと一台分4781円でちょうど半分ですね。許容範囲かな。


相性で言うと「パワーバンドが広い」「クラッチの切れが良い」「クラッチ容量がある程度確保されている」「エンストしにくい」車両がお勧めです。
250cc以上の車両が相性が良いと思います。大排気量4stMXerは開け始めで「パス」っと止まりやすいので、車両側とリクルス側双方でセッティングが必要です。YZ450Fは苦労しました・・・
WR-FやEXC-Fなどエンデューロマシンもエンストしにくいので悪くないと思います。個人的には250cc以上の2stか450以上のエンデユーロマシンが最高だと思います。大排気量車特有のクラッチの重さからも解放されますしね。

次に相性の良い「人」ですが…

ずばり「今すぐ成績を向上したい」「難しい操作は要らないから楽しくバイクに乗りたい」「エンストや低回転のドン付き、クラッチの重さを気にせず大排気量に乗りたい」人にお勧めです。

僕の場合は「成績を向上したい」と「新しいデバイスで新しい乗り方を試したい」ですかね…本番車にはまず装着すると思います。

練習車のYZ250Fには今のところ装着する予定は無いです。今まで、乗り換えてもクラッチ操作を忘れたり、下手になっていると言う事は無かたったので「技術が下がる」心配は無さそうです。250Fを本番車にするなら絶対付けますが。

取り付け自体は難しい所は無いのですが、セッティングで色々変わるデバイスだと思いますので、是非当店でのご購入をご検討下さい。

今、セッティングで悩んでる方のご相談にも応じますので、電話かメールかレース会場でお気軽にお尋ね下さい。

info@strange-mc.com
http://www.strange-mc.com/store



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ