2019/3/15
mini-trainer250 BETA
SNS上では発表していたのですが、BETAのクロストレイナー250をベースにフロント19インチ、リア16インチのホイールに換装したミニトレイナーを制作しました。

これはそもそも、僕が開発をお手伝いさせて頂いていたIRCのミニモトラージホイール用タイヤ「IX09Wゲコタ16インチ」が販売されるのに当たって、ネタとして制作した車両です。
CGCというハードエンデューロのミニモトクラス(フロント19インチ以下、リア17インチ以下なら排気量、車種不問)に出場して、デビューウィンを飾る計画でした(実際優勝出来ました)
ですが、乗ってみたら余りに素性が良いので、どこまで行けるか確認してみたくなりました。そこで難易度最上級のG-netクラスにも出場して限界のポテンシャルを探ってみよう!という事になりまして、何とか15位で一周回って来た結果のインプレッションです。
off1.jpのこちらの記事もご覧ください

ミニトレイナー仕様のメリットは下記になります
1.足付き性向上
タイヤ半径のデータ上だとリア50oダウン、フロント35oダウン(突き出しで調整)程度なのでさほどでも無いかな?と思いましたが、またがるとかなり違いが分かります。僕の身長(185cm)でもシチュエーションによっては大きな利点になります。かなり遠くに足が着けるので、ガレ場のライン取りに幅が広がります。

photo by pi3rr3
2.軽量化
これは造るまでは予想外でした。タイヤ込みで前後で5s以上軽くなります。全てバネ下かつ回転体の外側に近い場所ですので、走行時は更に軽く感じます。フラットコーナーでのコーナリングからガレ場から轍での振られまで、バネ下の軽さは全てに影響します。
また、転倒時の引き起こしや、斜面でのフローティングターン時、キャンバー落ちからの復帰の引き上げ等、静的な重量の軽さも全ての場面で効いて来ます。
3.ハンドリングの軽さ
実際に乗るまでは、トレール減少による切れ込みの多いシビアなハンドリングを予想していたのですが、全く神経質さの見られないごく普通のハンドリングでした。これは前後がそのままローダウンされているので、キャスター角も変わらずバランスが取れているものによると思われます。
もちろん、ホイルが小径かつタイヤ幅もかなり細いのでヒラヒラ感はかなり有りますが、直線で振られたり、コーナー進入でフロントが切れ込んだりする挙動は見られませんでした。ハンドル操作に必要な力がかなり減っているのが実感出来ますので、とにかく疲れません。
4.登り下りに対する寛容さ
これも乗ってみてから感じた事なのですが、とにかく登りでフロントが浮いて来ません。もちろん下りでも前転しにくいです。4st100~125ccクラスや2st85~100ccクラスのミニレーサーは、ショートホイルベース故の登り下りの難しさが有ります。ちゃんとステップに乗れてる時は良いですが、一旦足を離すと登りではフロントが、下りではリアが浮きたがります。これがミニトレには全く有りません。ノーマルのフルサイズ車と同じホイルベースなので同程度かと思いきや、ミニトレの方が低重心になってる為か、より浮きたがらなくなっています。どうしても足が出ちゃう登りの轍なんかでも、座ったままゴイゴイ進みます。G-netクラスの斜度の登りでも実感出来るレベルです。
ポジションとサスストロークは変わらない
これは、他のローダウン方法に比べて、という事です。サスペンションをローダウンして足付きを向上しても、ストロークが少なくなる為、サスペンション本来の性能を発揮出来なくなる筈ですし、スイングアームの垂れ角も変わりますのでトラクションも変わります。
また、ローシートにするとシッティング時のハンドル、シート、ステップの3点間の位置が変わってしまい、スタンディングに移行し難かったり、コーナーリング時に重心移動がし難かったりという問題が有ります。
ミニトレは、ホイルから上の車体は弄らなくても足付きが向上しますので、上記問題の解決策になる事もあり得ます。
一方、メリットしか無いわけではありません。
デメリットが無ければ最初からメーカーが採用していますしね。
下記がデメリットになります。
1.最低地上高の減少
思ったよりは引っ掛かりませんでしたが、大きな岩を超える時は腹が擦る頻度が上がります。
普段は問題ない1m程度のステアも、意識してバイクを立てないとアンダーガードが当たります。また、深い轍や谷地でステップが引っかかり易くなります。
大きなギャップを拾いやすくなる
特に下りからすぐに登りとか、小さい丸太をフロントアップしないで超える時等は普段より注意が必要でした。
3.フロント/リアが浮きにくくなる
これはメリット4と裏腹なのですが、重心が下がるためにピッチングが起きにくくなり、結果として若干フロントアップがしにくくなる筈です。「筈です」と書いたのには理由があって、そもそもクロストレイナーがフロントアップしやすい車両と言う事と、リアのゲコタのグリップが強力な事もあって、レース中にフロントアップで苦労する事は一切ありませんでした。
4.縦方向も横方向もグリップは減少する
タイヤの幅も細いですし接地面積も減りますので、コーナリング時の横方向もブレーキング時も加速時もフルサイズよりグリップが弱く感じます。横に逃げる時もフルサイズより挙動がわかりにくいですね。
G-netクラスに出て気付いたのは「軽さは全てに効いてくる」です。
ミスのリカバリーもしやすいですし、疲れにくいので最後まで体力を残す事が出来ます。
実際、ミニバイククラス1時間半+G-netクラス3時間のダブルエントリーという一人超ハードエンデューロを完走出来たのは、軽さのお蔭だと思います。
デメリットも有りますが、乗り方でカバー出来る事も少なくありません。単なるネタで中身はダメダメな車両で今回のG-netのコースが廻れないのは、出場した方なら誰しも理解して頂けると思います。
(TT-R125やCRF100は軽量コンパクトですが、パワーが無いので長くて急峻なヒルクライムはかなり厳しい)
(セローやXR230などのコンパクトトレールは足付きは良いですが、重いし最終的にパワー不足)
(レーサーは軽くてハイパワーだけど、足付きが絶望的に悪い)
(やはりセルは欲しい)
以上の条件を満たすのにこの「ミニトレイナー」は悪くない選択肢だと思います。
今までは、良いタイヤが無いという問題が有りましたが、ゲコタミニの発売でかなり選択肢が広がりました。
※ガソリン満タンのフル装備重量が100sそこそこ
※フルサイズレーサーの装備と足回り
※シート高850o程度
※2st250のハイパワー&半クラの要らないトルク
※セル付き
アリだと思いませんか?

photo by 若のよめさん
当店では試乗車をご用意しましたので、各地のレース会場やイベント会場で試乗して頂く事が可能です。
また、4月からは登録してナンバーも用意する予定ですので、当店にいらっしゃれば公道で試乗も可能です。

この試乗車はホイール交換の他に下記メニューの小改造及びセッティングを施行しています。
1.フロントIX09W、リアIX09Wゲコタミニ(公道走行時はGP210に変更)
2.ZETA SX3ハンドルバー(CRF150R用)幅750o
3.ハンドルポストのポジションは目一杯手前に
4.ワイドステップ5mmアップ
5.リンクガード
6.社外フォールディングタイプレバー(かなり近く調整出来る様に加工)
7.サイドスタンドカット及び溶接
8.リアイニシャル抜き及びフロントフォーク突き出し
9.ローシート加工
10.ミッションオイルをWAKO'S プロステージの0w30に変更(クラッチの切れが良くなるので、レバーをハンドルに近づけられます)
11.クラッチマスタースプリング変更(クラッチライト加工)







この状態でシート高はおおよそ820o、車重は体重計二台を使った実測で102sです。
これはガソリン満タンのフル積載状態ですので、計算上の乾燥重量は93.5kg程度かと思われます。
改造の狙いは、足付きや取り回しに不安の有るライダー、及び女性ライダーが不安無く乗れるレーサーです。


この仕様だと正直僕の体格にはポジションが狭すぎますが、女性ライダーの意見を取り入れて考慮したポジションになります。
現状はハブ持ちこみ、リムと特注スポーク、リム加工と組み込み工賃込みでおおよそ9万円前後になります。サイドスタンド加工が必要な場合は+4000円程度です。
とりあえず純正ハブ+DIDリム+特注スポーク仕様ですが、今後社外品で組んでASSY販売出来る様になるかもしれません。
RR2Tや4Tクロストレイナーには全て使えますし、新車時にミニ仕様での納車も可能です。
まずは明日3/16、3/17の日野ハードエンデューロに試乗車として持ち込みます。日曜日はマーシャルしておりますので、それ以外の時間でしたらお乗り頂けます。
また、4/6、4/7の白井ドラゴンライドでも試乗して頂けます。
info@strangemc.com
宮城県仙台市宮城野区日の出町3-1-26
TEL/FAX 022-766-9799
ストレンジモーターサイクル 代表 和泉 拓

これはそもそも、僕が開発をお手伝いさせて頂いていたIRCのミニモトラージホイール用タイヤ「IX09Wゲコタ16インチ」が販売されるのに当たって、ネタとして制作した車両です。
CGCというハードエンデューロのミニモトクラス(フロント19インチ以下、リア17インチ以下なら排気量、車種不問)に出場して、デビューウィンを飾る計画でした(実際優勝出来ました)
ですが、乗ってみたら余りに素性が良いので、どこまで行けるか確認してみたくなりました。そこで難易度最上級のG-netクラスにも出場して限界のポテンシャルを探ってみよう!という事になりまして、何とか15位で一周回って来た結果のインプレッションです。
off1.jpのこちらの記事もご覧ください

ミニトレイナー仕様のメリットは下記になります
1.足付き性向上
タイヤ半径のデータ上だとリア50oダウン、フロント35oダウン(突き出しで調整)程度なのでさほどでも無いかな?と思いましたが、またがるとかなり違いが分かります。僕の身長(185cm)でもシチュエーションによっては大きな利点になります。かなり遠くに足が着けるので、ガレ場のライン取りに幅が広がります。

photo by pi3rr3
2.軽量化
これは造るまでは予想外でした。タイヤ込みで前後で5s以上軽くなります。全てバネ下かつ回転体の外側に近い場所ですので、走行時は更に軽く感じます。フラットコーナーでのコーナリングからガレ場から轍での振られまで、バネ下の軽さは全てに影響します。
また、転倒時の引き起こしや、斜面でのフローティングターン時、キャンバー落ちからの復帰の引き上げ等、静的な重量の軽さも全ての場面で効いて来ます。
3.ハンドリングの軽さ
実際に乗るまでは、トレール減少による切れ込みの多いシビアなハンドリングを予想していたのですが、全く神経質さの見られないごく普通のハンドリングでした。これは前後がそのままローダウンされているので、キャスター角も変わらずバランスが取れているものによると思われます。
もちろん、ホイルが小径かつタイヤ幅もかなり細いのでヒラヒラ感はかなり有りますが、直線で振られたり、コーナー進入でフロントが切れ込んだりする挙動は見られませんでした。ハンドル操作に必要な力がかなり減っているのが実感出来ますので、とにかく疲れません。
4.登り下りに対する寛容さ
これも乗ってみてから感じた事なのですが、とにかく登りでフロントが浮いて来ません。もちろん下りでも前転しにくいです。4st100~125ccクラスや2st85~100ccクラスのミニレーサーは、ショートホイルベース故の登り下りの難しさが有ります。ちゃんとステップに乗れてる時は良いですが、一旦足を離すと登りではフロントが、下りではリアが浮きたがります。これがミニトレには全く有りません。ノーマルのフルサイズ車と同じホイルベースなので同程度かと思いきや、ミニトレの方が低重心になってる為か、より浮きたがらなくなっています。どうしても足が出ちゃう登りの轍なんかでも、座ったままゴイゴイ進みます。G-netクラスの斜度の登りでも実感出来るレベルです。
ポジションとサスストロークは変わらない
これは、他のローダウン方法に比べて、という事です。サスペンションをローダウンして足付きを向上しても、ストロークが少なくなる為、サスペンション本来の性能を発揮出来なくなる筈ですし、スイングアームの垂れ角も変わりますのでトラクションも変わります。
また、ローシートにするとシッティング時のハンドル、シート、ステップの3点間の位置が変わってしまい、スタンディングに移行し難かったり、コーナーリング時に重心移動がし難かったりという問題が有ります。
ミニトレは、ホイルから上の車体は弄らなくても足付きが向上しますので、上記問題の解決策になる事もあり得ます。
一方、メリットしか無いわけではありません。
デメリットが無ければ最初からメーカーが採用していますしね。
下記がデメリットになります。
1.最低地上高の減少
思ったよりは引っ掛かりませんでしたが、大きな岩を超える時は腹が擦る頻度が上がります。
普段は問題ない1m程度のステアも、意識してバイクを立てないとアンダーガードが当たります。また、深い轍や谷地でステップが引っかかり易くなります。
大きなギャップを拾いやすくなる
特に下りからすぐに登りとか、小さい丸太をフロントアップしないで超える時等は普段より注意が必要でした。
3.フロント/リアが浮きにくくなる
これはメリット4と裏腹なのですが、重心が下がるためにピッチングが起きにくくなり、結果として若干フロントアップがしにくくなる筈です。「筈です」と書いたのには理由があって、そもそもクロストレイナーがフロントアップしやすい車両と言う事と、リアのゲコタのグリップが強力な事もあって、レース中にフロントアップで苦労する事は一切ありませんでした。
4.縦方向も横方向もグリップは減少する
タイヤの幅も細いですし接地面積も減りますので、コーナリング時の横方向もブレーキング時も加速時もフルサイズよりグリップが弱く感じます。横に逃げる時もフルサイズより挙動がわかりにくいですね。
G-netクラスに出て気付いたのは「軽さは全てに効いてくる」です。
ミスのリカバリーもしやすいですし、疲れにくいので最後まで体力を残す事が出来ます。
実際、ミニバイククラス1時間半+G-netクラス3時間のダブルエントリーという一人超ハードエンデューロを完走出来たのは、軽さのお蔭だと思います。
デメリットも有りますが、乗り方でカバー出来る事も少なくありません。単なるネタで中身はダメダメな車両で今回のG-netのコースが廻れないのは、出場した方なら誰しも理解して頂けると思います。
(TT-R125やCRF100は軽量コンパクトですが、パワーが無いので長くて急峻なヒルクライムはかなり厳しい)
(セローやXR230などのコンパクトトレールは足付きは良いですが、重いし最終的にパワー不足)
(レーサーは軽くてハイパワーだけど、足付きが絶望的に悪い)
(やはりセルは欲しい)
以上の条件を満たすのにこの「ミニトレイナー」は悪くない選択肢だと思います。
今までは、良いタイヤが無いという問題が有りましたが、ゲコタミニの発売でかなり選択肢が広がりました。
※ガソリン満タンのフル装備重量が100sそこそこ
※フルサイズレーサーの装備と足回り
※シート高850o程度
※2st250のハイパワー&半クラの要らないトルク
※セル付き
アリだと思いませんか?

photo by 若のよめさん
当店では試乗車をご用意しましたので、各地のレース会場やイベント会場で試乗して頂く事が可能です。
また、4月からは登録してナンバーも用意する予定ですので、当店にいらっしゃれば公道で試乗も可能です。

この試乗車はホイール交換の他に下記メニューの小改造及びセッティングを施行しています。
1.フロントIX09W、リアIX09Wゲコタミニ(公道走行時はGP210に変更)
2.ZETA SX3ハンドルバー(CRF150R用)幅750o
3.ハンドルポストのポジションは目一杯手前に
4.ワイドステップ5mmアップ
5.リンクガード
6.社外フォールディングタイプレバー(かなり近く調整出来る様に加工)
7.サイドスタンドカット及び溶接
8.リアイニシャル抜き及びフロントフォーク突き出し
9.ローシート加工
10.ミッションオイルをWAKO'S プロステージの0w30に変更(クラッチの切れが良くなるので、レバーをハンドルに近づけられます)
11.クラッチマスタースプリング変更(クラッチライト加工)







この状態でシート高はおおよそ820o、車重は体重計二台を使った実測で102sです。
これはガソリン満タンのフル積載状態ですので、計算上の乾燥重量は93.5kg程度かと思われます。
改造の狙いは、足付きや取り回しに不安の有るライダー、及び女性ライダーが不安無く乗れるレーサーです。


この仕様だと正直僕の体格にはポジションが狭すぎますが、女性ライダーの意見を取り入れて考慮したポジションになります。
現状はハブ持ちこみ、リムと特注スポーク、リム加工と組み込み工賃込みでおおよそ9万円前後になります。サイドスタンド加工が必要な場合は+4000円程度です。
とりあえず純正ハブ+DIDリム+特注スポーク仕様ですが、今後社外品で組んでASSY販売出来る様になるかもしれません。
RR2Tや4Tクロストレイナーには全て使えますし、新車時にミニ仕様での納車も可能です。
まずは明日3/16、3/17の日野ハードエンデューロに試乗車として持ち込みます。日曜日はマーシャルしておりますので、それ以外の時間でしたらお乗り頂けます。
また、4/6、4/7の白井ドラゴンライドでも試乗して頂けます。
info@strangemc.com
宮城県仙台市宮城野区日の出町3-1-26
TEL/FAX 022-766-9799
ストレンジモーターサイクル 代表 和泉 拓